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白内障・緑内障

Cataract Glaucoma

白内障

■ 白内障とは

白内障とは、眼の中にある水晶体というレンズが濁ってくる病気です。
水晶体が濁るとくもりガラスを通して見たようにはっきり見えず、メガネをかけても視力は改善しません。
白内障の原因はたくさんありますが最も多いのは加齢によるもので、40歳代から進行しはじめ60歳代では80%、80歳ではほぼ100%の割合でみられます。
もちろん個人差があるため40歳代で白内障になる方もいれば、80歳になっても症状の出ない方もいます。
また、進行の度合いもさまざまで、数年かかって徐々に進行する場合や2~3ヶ月で急速に進行する場合もあります。

■ 白内障の症状

症状もさまざまで、かなり進行しても視力障害を感じない方もいれば、わずかな進行でもかなり見えづらくなる方もいます。
・かすんで見えづらい
・明るいところに出ると眩しい
・メガネが合わなくなった
・見え方に左右差がある
このような症状が現れたら、早めに受診して、視力低下や白内障の進行状態を知ることが大切です。

■ 白内障の治療

白内障の進行を遅らせるため、目薬で治療を続けます。
しかし、残念ながら濁ってしまった水晶体を透明な状態に戻すことはできません。
視力の低下が進み、日常生活や仕事、車の運転などに不便を感じるようになったら、手術の時期といえます。
白内障が進行したままの状態で長期間放置すると、緑内障やぶどう膜炎など。他の病気を併発することもあります。
定期的に診察を受け、適切な治療を受けましょう。

■ 白内障の手術

白内障の手術は、一般的には水晶体嚢の一部を取り除き、濁った水晶体を超音波で砕いて吸出し(超音波水晶体乳化吸引術)、残した水晶体嚢の中に代わりの人工レンズ(眼内レンズ)を入れるという方法で行います。
手術は局所麻酔のみで行い、手術時間は、手術の方法によっても異なりますが、15分~30分程度です。
眼内レンズは、取り除いた水晶体の代わりをするものです。
水晶体がもとあった位置に挿入するため異物感は無く、取り外しをする必要もありません。
一度挿入すれば、半永久的に使用できます。
入院設備も完備していますが、原則、日帰り手術となります。遠方の方は事前にご相談ください。
白内障手術により、新たな光を得て、明るい生活ができるようお手伝いさせていただきます。

緑内障

■ 緑内障とは

目に来ている視神が弱ってきて、視野(見える範囲)が徐々に狭くなり、放置するとやがては真っ暗になって失明する病気です。
かなり進行するまでは自分で気づかないため、検査をしない限り発見されません。
近年、会社や市町村の健康診断などの眼底検査で視神経乳頭陥凹や視神経線維束欠損を指摘され、早期発見されることがよくあります。
緑内障にも種類がありますが、従来は眼圧(眼球の硬さ)が高いことによって視神経が障害されるとされていました。
しかしそれだけの理由ではなく、日本人では眼圧が 21 mm Hg 未満の正常眼圧緑内障が多いことや、年齢と共に有病率が上がることなどがわかってきました。
ぶどう膜炎や糖尿病など、他の病気に伴って起こる緑内障もあり、わが国の失明原因の上位を占めます。
早期発見と、定期的な眼圧検査、視野検査、眼底検査、点眼を忘れないことが大事です。

■ 緑内障の症状

初期には無自覚無症状で、かなり進行してから視野狭窄や視力低下を自覚してきます。一度狭くなった視野は元に戻りません。

■ 緑内障の治療

視野狭窄が進行しないように、眼圧を下げたり、循環を良くしたり、神経を保護したりする点眼治療が中心となります。
複数の薬を使っても眼圧が下がらずに視野狭窄が進行する場合には、レーザー治療や手術も行われます。

■ 緑内障発作

急激に眼圧が上昇し、軽度の散瞳(瞳が大きくなること)、充血、視力低下、眼痛、頭痛、吐き気、嘔吐などを起こす状態を緑内障発作といいます。
頻度は少ないですが、頭痛や嘔吐などが目立つため、目の病気と気づかれずに、脳外科や消化器内科を受診してしまうことがあります。
早急な眼科的治療、眼圧下降治療が必要です。

■ 視神経乳頭陥凹(かんおう)

目に来ている視神(視神経)が眼球に入ってくる部分(視神経乳頭)には、誰にでもくぼんだ範囲があります(生理的視神経乳頭陥凹)。
その大きさは人により様々ですが、直径の 70~80 %より大きい場合には緑内障の疑いとして指摘されることが多いようです。